ドラム式洗濯機のデメリットを徹底解説!後悔しない選び方

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憧れのドラム式洗濯機。デザインもおしゃれで、洗濯から乾燥まで全自動でこなしてくれる夢のような家電、というイメージがあるかもしれません。

しかし、購入を検討し始めると「ドラム式洗濯機 デメリット」といった情報が目に入り、不安になる方も多いのではないでしょうか。

中には、デメリットしかない、二度と買わない、やめとけ、といった強い否定的な意見もあり、購入に踏み切れないかもしれません。

乾燥機付きならではのデメリットや、省エネと言われるヒートポンプ式のデメリット、逆に安価なヒーター式のデメリットなど、機能面での不安は尽きないでしょう。

さらに、設置に必要なかさ上げ台やキャスターのデメリット、便利なはずの風呂水機能のデメリットといった細かな点も気になるところです。

また、そもそも洗濯機は縦型とドラム式のどっちが人気なのか、一人暮らしには本当に必要なのか、といった根本的な疑問も浮かびます。

この記事では、そうしたドラム式洗濯機のデメリットに関するあらゆる疑問や不安を解消します。メリットも踏まえつつ、あなたにとって最適な一台を見つけるための、おすすめの考え方まで詳しく解説していきます。

この記事でわかること
  • ドラム式洗濯機が持つ具体的なデメリットの数々
  • 後悔しないために知っておくべき設置や機能の注意点
  • デメリットを上回るメリットや縦型式との違い
  • ご自身の生活に合った洗濯機を賢く選ぶための視点
目次

購入前に知りたいドラム式洗濯機のデメリット

  • デメリットしかないという噂は本当?
  • 「二度と買わない」「 やめとけと」言われる理由
  • 便利な乾燥機付きのデメリットとは?
  • 省エネと言われるヒートポンプのデメリット
  • パワフルなヒーター式のデメリット
  • 節約できる風呂水機能のデメリット
  • 一人暮らしには不向き?その理由とは

デメリットしかないという噂は本当?

ドラム式洗濯機を検討する際、「デメリットしかない」という厳しい意見を見かけることがあります。

しかし、これは必ずしも全ての製品や利用者に当てはまるわけではありません。むしろ、特定の状況や使い方において、デメリットが強く感じられてしまうケースがある、と捉えるのが適切です。

例えば、ドラム式洗濯機の代表的なメリットである「乾燥機能」や「節水性」も、期待値が高すぎると、かえって不満につながることがあります。

乾燥機能は天候に左右されず便利ですが、衣類の縮みやシワ、乾燥ムラといった問題が起こる可能性はゼロではありません。

また、節水性が高いということは、少ない水で洗うため、洗剤の溶け残りや汚れの種類によっては洗浄力に不安を感じる人もいます。

さらに、本体価格の高さや設置スペースの確保、購入後の定期的なメンテナンスの手間など、縦型洗濯機にはない考慮点が複数存在します。

これらのデメリットが自身のライフスタイルや価値観と合わなかった場合に、「デメリットしかない」という強い感想につながってしまうと考えられます。

したがって、ドラム式洗濯機は決してデメリットだけの製品ではありません。

ただ、メリットの裏側にある注意点や、縦型洗濯機とは異なる特性を十分に理解せずに購入すると、後悔につながる可能性があるということは覚えておくべきでしょう。

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「二度と買わない」「 やめとけと」言われる理由

「二度と買わない」「やめとけ」といった強い後悔の声が上がる背景には、購入前の期待と実際の使用感との間に大きなギャップが生じてしまったケースが多く見られます。特に、いくつかの共通した理由が挙げられます。

騒音と振動の問題

ドラム式洗濯機は、構造上、たたき洗いを主流とするため、運転音や特に脱水時の振動が縦型洗濯機よりも大きくなる傾向があります。

木造住宅の2階や集合住宅など、設置環境によっては、その揺れが地震と勘違いするほどだったり、階下への騒音が気になって夜間に使えなかったりという問題が発生します。

防振ゴムやかさ上げ台で対策しても、完全には解消できないこともあり、これが大きなストレスとなって後悔につながるのです。

メンテナンスの煩雑さ

ドラム式洗濯機は、その高機能さを維持するために、縦型洗濯機よりも手厚いメンテナンスが求められます。

特に、乾燥機能を使用した後の「乾燥フィルター」のホコリ掃除は、毎回行うのが推奨されています。

また、扉の周囲にある「ゴムパッキン」もホコリや髪の毛が溜まりやすく、放置するとカビや臭いの原因になるため、こまめな清掃が必要です。

この掃除の手間が想定以上に面倒で、「家事を楽にするために買ったのに、逆に手間が増えた」と感じてしまう方が少なくありません。

乾燥機能への不満

「洗濯物を干す手間から解放される」という最大の魅力である乾燥機能が、期待通りに機能しないことも大きな理由です。

洗濯物の量が多すぎると生乾きになったり、逆に乾燥に何時間もかかってしまったりすることがあります。

また、お気に入りの服が縮んでしまったり、シワだらけになってアイロンがけが必須になったりするなど、全ての衣類を気軽に乾燥できるわけではない現実に直面し、失望につながるケースも多いようです。

これらの理由から、ライフスタイルや住環境、さらには性格(こまめな掃除が苦手など)によっては、ドラム式洗濯機の魅力がデメリットに感じられ、「二度と買わない」という結論に至ってしまうと考えられます。

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便利な乾燥機付きのデメリットとは?

ドラム式洗濯機の最大の特長である「乾燥機能」は、洗濯物を干す手間を省き、天候に左右されずに洗濯を完結させられる非常に便利な機能です。

しかし、この便利な機能にもいくつかのデメリットや注意点が存在します。

まず、衣類へのダメージが挙げられます。

乾燥機は熱風で水分を飛ばすため、どうしても衣類の生地に負担がかかります。

特に、熱に弱いデリケートな素材や、綿製品などは、縮んだり、ゴワゴワになったり、傷んで寿命が短くなったりする可能性があります。

そのため、全ての洗濯物を無差別に乾燥機にかけることはできず、乾燥前に素材をチェックし、仕分ける手間が発生することがあります。

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次に、乾燥にかかる時間と電気代の問題です。

洗濯物の量や種類にもよりますが、洗濯から乾燥までを一貫して行うと、数時間単位の時間がかかります。

急いで着たい服がある場合には、思ったよりも時間がかかって不便に感じるかもしれません。また、当然ながら乾燥機能を使えばその分電気代がかかります。

特に、後述するヒーター式の乾燥方法は、消費電力が大きくなる傾向にあり、ランニングコストが気になる点です。

さらに、乾燥ムラや生乾きの問題もあります。

洗濯物を詰め込みすぎると、温風が全体に行き渡らず、一部だけが湿ったまま仕上がることがあります。

特に、厚手のパーカーのフード部分や、ジーンズのポケットの中などは乾きにくい代表例です。

結局、乾ききらなかった衣類を干し直すことになれば、乾燥機能付きを選んだ意味が薄れてしまいます。

このように、乾燥機能は非常に魅力的ですが、万能ではありません。

衣類の仕分けが必要になることや、時間・コスト、そして仕上がりの品質について、ある程度の理解と工夫が求められる点を認識しておくことが大切です。

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省エネと言われるヒートポンプのデメリット

現在、多くのドラム式洗濯機で主流となっている乾燥方式が「ヒートポンプ式」です。

この方式は、空気中の熱を集めて利用する仕組みで、ヒーター式に比べて低い温度(約60℃~70℃)の温風で乾燥させるため、消費電力が少なく電気代が安いのが最大のメリットです。

しかし、この省エネなヒートポンプ式にもデメリットは存在します。

第一に、本体価格が高くなる傾向にあることです。

ヒートポンプユニットは構造が複雑で、部品コストもかかるため、同じ容量のヒーター式ドラム式洗濯機や縦型洗濯機と比較して、製品自体の価格が高額になります。

初期投資をできるだけ抑えたいと考えている方にとっては、大きなハードルとなるでしょう。

第二に、本体サイズが大きくなりがちな点が挙げられます。

ヒートポンプユニットを内蔵する必要があるため、洗濯機全体の奥行きや幅が大きくなる傾向があります。

日本のコンパクトな住宅事情では、洗濯機置き場のスペースに収まらなかったり、搬入経路(玄関ドア、廊下、階段など)を通れなかったりするケースも少なくありません。

購入前には、設置場所と搬入経路の念入りな採寸が不可欠です。

最後に、低温乾燥ならではの注意点です。

衣類に優しく、縮みや傷みが少ないというメリットの一方で、高温で一気に乾かすヒーター式に比べると、乾燥に時間がかかることがあります。

また、洗濯物の量が多い場合や、乾きにくい素材の場合、仕上がりが少し湿っぽく感じられることがあるかもしれません。

カラッと完璧な乾き具合を求める方には、少し物足りなく感じられる可能性があります。

これらの点から、ヒートポンプ式はランニングコストと衣類への優しさでは非常に優れていますが、高い初期費用と設置スペースの問題をクリアする必要があると言えます。

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パワフルなヒーター式のデメリット

ヒートポンプ式が登場する前からある乾燥方式が「ヒーター式」です。ドライヤーのように内蔵ヒーターで高温の風(約80℃以上)を作り出し、洗濯物を乾かすシンプルな仕組みです。

この方式は、一部のドラム式洗濯機や、乾燥機能付きの縦型洗濯機で採用されています。ヒーター式にはメリットもありますが、いくつかの明確なデメリットが存在します。

最も大きなデメリットは、ランニングコスト、つまり電気代が高くなることです。

高温の熱を直接作り出すため、ヒートポンプ式と比較して消費電力が大幅に大きくなります。

乾燥機能を頻繁に使用する場合、月々の電気代に顕著な差として現れるため、長期的な視点で見ると経済的な負担が大きくなる可能性があります。

次に、衣類へのダメージが大きい点が挙げられます。

高温で乾燥させるため、熱に弱いデリケートな衣類やウール製品などは、縮んだり、生地が傷んだりするリスクが非常に高まります。

乾燥できる衣類が限られてしまうため、結局多くの洗濯物を別に干す必要が出てくるかもしれません。

また、冷却方式によっては、室内に湿気や熱気が排出されるタイプ(排気式)もあります。

この場合、乾燥運転中は脱衣所や洗面所の湿度が非常に高くなり、壁や天井にカビが発生する原因にもなりかねません。そのため、使用時には窓を開けるか、換気扇を回し続けるといった対策が必要です。

▼乾燥方式の比較表

スクロールできます
項目ヒートポンプ式ヒーター式
乾燥温度低温(約60~70℃)高温(約80℃以上)
電気代安い高い
本体価格高い安い傾向
衣類へのダメージ少ない大きい
メリット省エネ、衣類に優しい本体が安価、高温でしっかり乾く
デメリット本体が高い、大型化しがち電気代が高い、衣類が傷みやすい

ヒーター式は、本体価格が比較的安価であるというメリットがありますが、日々の電気代や衣類への影響を考えると、乾燥機能を日常的に使いたい方には慎重な検討が求められる方式と言えます。

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節約できる風呂水機能のデメリット

多くの洗濯機に搭載されている「風呂水(残り湯)ポンプ機能」は、お風呂の残り湯を洗濯に再利用することで、水道代を大幅に節約できる便利な機能です。

しかし、この節約の味方にも、見過ごせないデメリットや注意点があります。

最も大きな懸念点は、衛生面の問題です。

お風呂の残り湯には、人間の体から出た皮脂や雑菌が繁殖しています。このような水で洗濯をすると、衣類に臭いがついたり、黒ずみの原因になったりする可能性があります。

特に、洗濯物を部屋干しした場合、雑菌の繁殖が進み、不快な生乾き臭を発生させやすくなります。

そのため、残り湯を使うのは「洗い」の工程のみにし、「すすぎ」は必ずきれいな水道水で行うことが推奨されています。

次に、給水ポンプのメンテナンスの手間が挙げられます。

残り湯を洗濯機に送るためには、専用のホースとポンプを使用しますが、このホースや先端のフィルターには、髪の毛や湯垢などの汚れが付着します。

これを放置しておくと、ポンプの故障の原因になるだけでなく、カビや雑菌の温床となってしまいます。

したがって、使用後は毎回ホース内の水を抜き、フィルターを清掃し、清潔な状態で保管するという手間が発生します。この作業を面倒に感じ、結局使わなくなってしまう人も少なくありません。

さらに、入浴剤を使用したお湯は、基本的に洗濯には使えないという制約もあります。

入浴剤の成分によっては、衣類を変色させたり、洗濯機の配管を傷めたりする可能性があるためです。

このように、風呂水ポンプ機能は水道代の節約には大きく貢献しますが、衛生管理やメンテナンスの手間、使用上の制約といったデメリットも伴います。

これらの手間を許容できるかどうかを考えた上で、活用を検討することが大切です。

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一人暮らしには不向き?その理由とは

スタイリッシュで高機能なドラム式洗濯機は、一人暮らしの生活を豊かにしてくれるように思えますが、実際には「一人暮らしには不向き」と言われることがあります。これにはいくつかの明確な理由があります。

第一に、本体サイズと設置スペースの問題です。

ドラム式洗濯機は、縦型洗濯機に比べて本体の奥行きや幅が大きい製品がほとんどです。加えて、扉が手前に開くため、その開閉スペースも確保する必要があります。

一人暮らし向けのコンパクトなアパートやマンションでは、規格された防水パンに収まらなかったり、扉を開けるスペースがなかったりと、物理的に設置できないケースが少なくありません。

購入してから搬入・設置ができないという事態を避けるためにも、事前の綿密なサイズ確認が不可欠です。

第二に、本体価格の高さが挙げられます。

ドラム式洗濯機は、多機能な分、縦型洗濯機に比べて高価です。

乾燥機能が不要であったり、そこまで多くの機能を求めなかったりする場合、一人暮らしの洗濯量に対してはオーバースペックとなり、初期費用が過大になる可能性があります。

数年で引っ越す可能性がある場合などは、コストパフォーマンスの面で縦型洗濯機に軍配が上がることが多いでしょう。

第三に、容量と洗濯頻度のミスマッチです。

ドラム式洗濯機のメリットの一つに「節水性」がありますが、これはある程度の量をまとめて洗うことで効果が最大化されます。

一人暮らしの場合、洗濯物の量が少なく、毎日こまめに洗うよりも週末にまとめて洗うスタイルの方が多いかもしれません。

しかし、少量の洗濯物を頻繁に回す場合、ドラム式ならではのメリットを十分に享受できない可能性があります。

これらの理由から、特に設置スペースが限られ、初期費用を抑えたい一人暮らしの方にとっては、ドラム式洗濯機よりもコンパクトで安価な縦型洗濯機の方が、現実的で合理的な選択となる場合が多いと考えられます。

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ドラム式洗濯機のデメリットを知って賢く選ぶ

  • 知っておきたいドラム式洗濯機のメリット
  • 縦型とドラム式 どっちが人気なの?
  • 設置に使うかさ上げ台のデメリット
  • 移動に便利なキャスターのデメリット
  • デメリットを解消するおすすめモデル
  • ドラム式洗濯機のデメリットを理解し選ぼう

知っておきたいドラム式洗濯機のメリット

これまでドラム式洗濯機のデメリットを中心に見てきましたが、もちろんそれを上回るほどの大きなメリットも数多く存在します。

デメリットを理解した上でメリットに目を向けることで、よりバランスの取れた判断が可能になります。

最大のメリットは、やはり「家事の時短」に大きく貢献する点です。

特に乾燥機能は、洗濯物を干して取り込むという一連の作業を完全に不要にします。

天候や花粉、PM2.5などを気にすることなく、いつでも洗濯を完結できるのは、共働き世帯や子育てで忙しい家庭にとって計り知れない価値があります。

夜間に洗濯をセットしておけば、朝には乾いた服が用意されているという生活は、日々の時間に大きなゆとりを生み出します。

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次に、「高い節水性」が挙げられます。

ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて衣類を上から下に落とす「たたき洗い」が基本です。この方式は、洗濯槽に水を溜めて洗う縦型洗濯機の「もみ洗い」に比べて、はるかに少ない水量で洗うことができます。

毎回のことなので、年間を通してみると水道代に大きな差が生まれます。環境への配慮と、家計への貢献という両面で優れた特長です。

また、「衣類に優しい」という点も見逃せません。

前述の通り、たたき洗いは衣類同士が強くこすり合わされることが少ないため、生地の傷みや絡まりを防ぎます。デリケートなおしゃれ着なども、安心して洗うことが可能です。

さらに、ヒートポンプ式の乾燥機能は低温で乾かすため、熱による縮みやダメージを最小限に抑え、タオルなどをふんわりと仕上げてくれます。

これらのメリットは、日々の生活の質を向上させる力を持っています。デメリットと天秤にかけ、自身のライフスタイルにとってどちらの価値が大きいかを考えることが、後悔しない洗濯機選びの鍵となります。

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縦型とドラム式 どっちが人気なの?

洗濯機選びで誰もが一度は悩むのが、「縦型とドラム式、結局どっちがいいの?」という問題です。

人気度で言うと、日本の市場全体では、今なお「縦型洗濯機」が販売台数の主流を占めています。

しかし、近年はライフスタイルの変化に伴い、「ドラム式洗濯機」の需要も着実に増加しており、両者がそれぞれのニーズに応える形で共存しているのが現状です。

縦型洗濯機が根強い人気を誇る理由は、まずその「高い洗浄力」にあります。

たっぷりの水と強力な水流で衣類をこすり洗いするため、泥汚れや食べこぼしといった頑固な汚れに強いのが特長です。子育て世代や、スポーツをするお子さんがいる家庭からの支持は絶大です。

また、本体価格が比較的安価で、コンパクトなモデルが多いため、設置スペースが限られる日本の住宅事情にもマッチしています。

一方、ドラム式洗濯機の人気が高まっている背景には、「家事の効率化」を求める声の増加があります。

洗濯から乾燥までを一台でこなし、干す手間を省ける点は、共働き世帯や時間に追われる現代人にとって大きな魅力です。

また、節水性の高さや、衣類を傷めにくい洗い方も、環境意識や「良いものを長く使いたい」という価値観に合致しています。デザイン性が高く、インテリアに馴染む点も人気の理由の一つです。

▼縦型とドラム式の比較表

スクロールできます
項目縦型洗濯機ドラム式洗濯機
洗浄方式もみ洗いたたき洗い
得意な汚れ泥汚れなどの固形物皮脂汚れ
洗浄力◎(非常に高い)◯(高い)
節水性△(水を多く使う)◎(非常に高い)
乾燥機能△(ヒーター式が多く、補助的)◎(ヒートポンプ式が多く、強力)
衣類へのダメージ△(絡みやすく、傷みやすい)◎(絡みにくく、優しい)
本体価格安い傾向高い傾向
設置性◎(コンパクトで設置しやすい)△(大型でスペースが必要)

このように、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。

洗浄力を最優先し、コストを抑えたいなら縦型、家事の時短と節水、衣類への優しさを重視するならドラム式、というように、自身のライフスタイルや何を最も大切にしたいかで、どちらが「人気」かは変わってくると言えます。

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設置に使うかさ上げ台のデメリット

ドラム式洗濯機を設置する際、より快適に使うために「かさ上げ台(防振かさ上げ台)」の利用を検討することがあります。

かさ上げ台とは、洗濯機本体の四隅の脚の下に設置するブロック状の台のことです。

これにより、洗濯機の下に空間が生まれ、排水ホースの取り回しが楽になったり、洗濯機下の掃除がしやすくなったり、洗濯物の投入口が高くなって腰への負担が減ったりと、多くのメリットがあります。

しかし、このかさ上げ台にもデメリットや注意すべき点が存在します。

最も注意したいのは、「振動と騒音の増大」です。

洗濯機の重心が高くなることで、特に脱水時の揺れが大きくなる可能性があります。

製品の防振性能によっては、かさ上げ台を設置したことで、以前よりも運転音や振動が大きくなってしまったというケースもあります。床の強度や材質との相性も関係するため、かえって不安定さが増してしまうリスクも考慮しなくてはなりません。

また、洗濯機の高さが変わることで、新たな問題が発生することもあります。

例えば、洗濯機上部のスペースに棚を設置している場合、かさ上げしたことで棚と干渉してしまうかもしれません。また、給水用の蛇口の位置が低い場合、洗濯機本体とぶつかって設置できなくなる可能性も出てきます。

かさ上げ台は、排水管の洗浄時などに洗濯機を動かす必要がないという点では非常に便利ですが、安定性が損なわれるリスクもはらんでいます。

設置を検討する際は、使用する洗濯機の重量や振動の大きさを考慮し、信頼性の高い製品を選ぶことが大切です。

メリットだけでなく、振動や騒音が増す可能性というデメリットも理解した上で、導入を判断する必要があります。

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移動に便利なキャスターのデメリット

洗濯機の下はホコリや髪の毛が溜まりやすく、掃除がしにくい場所の代表格です。

この問題を解決するために、洗濯機を乗せて自由に動かせる「キャスター付きの置き台」の利用を考える方もいるかもしれません。

確かに、キャスター付きの台に乗せれば、重い洗濯機を簡単に移動させて、裏側や下をきれいに掃除できるため、非常に魅力的に見えます。

しかし、洗濯機にキャスター付きの台を使用することには、大きなデメリットと、何よりも「危険性」が伴います。

最大のデメリットは、洗濯機の運転、特に脱水時の安定性が著しく損なわれることです。

洗濯機、とりわけドラム式洗濯機は、高速でドラムが回転する際に非常に大きな遠心力と振動が発生します。キャスター付きの台は、たとえストッパーで車輪を固定していたとしても、この強力な振動に耐えきれず、徐々に動いてしまう可能性があります。

最悪の場合、運転中に洗濯機が台からずり落ちて転倒し、本体の破損だけでなく、床や壁を傷つけたり、給排水ホースが外れて水漏れ事故を引き起こしたりする大惨事につながりかねません。

このような危険性から、国内の主要な洗濯機メーカーは、キャスター付きの置き台の使用を推奨しておらず、取扱説明書でも明確に禁止している場合がほとんどです。

メーカーが推奨しない方法で設置して事故が起きた場合、製品保証の対象外となる可能性も高いでしょう。

掃除のしやすさというメリットはありますが、それは転倒や水漏れといった重大なリスクと引き換えにするにはあまりにも危険です。

洗濯機周りの清掃性を高めたい場合は、前述の「かさ上げ台」を利用するなど、メーカーが許容している安全な方法を検討するべきです。

キャスター付きの台は、その便利さの裏にある危険性を十分に理解し、使用は避けるのが賢明な判断と言えます。

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\とはいえ、ないと困るのも事実!/

デメリットを解消するおすすめモデル

これまでドラム式洗濯機の様々なデメリットを見てきましたが、近年、メーカー各社もそうした利用者の不満や悩みを解消するための技術開発に力を注いでいます。

全てのデメリットを完璧になくすことは難しいですが、特定の不満点を大きく改善した機能を搭載したモデルを選ぶことで、ドラム式洗濯機との付き合い方が格段に快適になります。

ここでは、代表的なお悩みと、それに対応する機能を搭載した具体的な製品シリーズやモデルをいくつかご紹介します。

「メンテナンスの手間」が気になる方へ

掃除の煩わしさという大きなデメリットに対しては、「自動おそうじ機能」を搭載したモデルが有効な選択肢となります。

例えば、日立の「ビッグドラム」シリーズ(例: BD-SX130Kなど)に搭載されている「らくメンテ」は、従来必須だった乾燥フィルターの掃除を不要にし、ホコリや糸くずを大容量の「糸くずフィルター」一箇所に集約します。

これにより、お手入れの頻度を大幅に減らすことが可能です。

また、パナソニックの最上位「LXシリーズ」(例: NA-LX129Dなど)では、洗濯のたびに自動で洗濯槽を掃除する機能に加え、乾燥フィルターや排水フィルターの掃除のタイミングを知らせてくれるなど、メンテナンスをサポートする機能が充実しています。

「洗浄力」に不安がある方へ

少ない水で洗うことによる洗浄力への不安に対しては、「温水洗浄」や各社独自の洗浄技術を搭載したモデルが応えてくれます。

東芝の「ZABOON(ザブーン)」シリーズ(例: TW-127XP4など)は、「温水抗菌ウルトラファインバブル洗浄」を搭載。温水で洗剤の力を引き出し、ナノサイズの泡が繊維の奥の皮脂汚れまでしっかり落とします。

また、パナソニックの「LXシリーズ」が採用する「温水スゴ落ち泡洗浄」も、洗剤を泡立ててから投入し、温水と組み合わせることで高い洗浄力を発揮します。

「衣類のシワや仕上がり」を重視する方へ

乾燥後のシワやゴワつきが気になる場合は、各社が工夫を凝らした乾燥機能を比較検討するのがおすすめです。

日立の「ビッグドラム」シリーズに搭載されている「風アイロン」機能は、高速の風を衣類に吹き付け、大きなシワを伸ばしながら乾燥させるため、アイロンがけの手間を大きく軽減してくれます。

また、シャープのハイエンドモデル(例: ES-X12Cなど)では、乾燥中にプラズマクラスターイオンを放出することで、静電気を抑制し、衣類のふんわりとした仕上がりを助ける機能があります。

「設置スペース」が限られている方へ

ドラム式は大きいというデメリットに対しては、コンパクト設計のモデルが解決策となります。

パナソニックの「Cuble(キューブル)」シリーズ(例: NA-VG2900Lなど)は、水平・垂直を基調としたキュービックフォルムで、一般的なドラム式より奥行きが浅く設計されており、洗面所のインテリアにも馴染みやすいデザインです。

シャープのコンパクトドラム(例: ES-S7Kなど)も、一般的な防水パンに設置しやすいサイズ感で、マンションなどスペースが限られる環境でも導入を検討しやすいモデルと言えます。

このように、ご自身の生活で最も気になるデメリットを特定し、それを解決してくれる機能を搭載したモデルを軸に探すことが、後悔しない洗濯機選びへの近道となります。

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ドラム式洗濯機のデメリットを理解し選ぼう

この記事を通じて、ドラム式洗濯機が持つ様々な側面に光を当ててきました。

購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、以下のポイントを総合的に理解し、ご自身のライフスタイルと照らし合わせて判断することが何よりも大切です。

  • ドラム式は縦型に比べて本体価格が高価な傾向にある
  • 設置には広いスペースと搬入経路の確認が不可欠
  • 乾燥機能は便利だが衣類が縮んだり傷んだりする可能性がある
  • 省エネなヒートポンプ式は本体が高く大型になりがち
  • 安価なヒーター式は電気代が高く衣類へのダメージも大きい
  • 乾燥フィルターやドアパッキンのこまめな掃除は手間がかかる
  • 運転時の騒音や振動が大きく設置環境を選ぶことがある
  • 洗濯できる容量と乾燥できる容量は違う点を理解しておく
  • 一人暮らしの場合は機能や容量が過剰になる可能性がある
  • 風呂水ポンプ機能は節水になるが衛生管理の手間が伴う
  • かさ上げ台やキャスターの使用は振動や安全性に注意が必要
  • 一方でたたき洗いによる衣類への優しさは大きな魅力
  • 縦型を大きく上回る節水性能は家計と環境に貢献する
  • 天候を気にせず洗濯から乾燥までを自動で完結できる時短効果は絶大
  • 洗浄力やメンテナンス性を補う高機能モデルも多数登場している
  • 最終的には何を優先するかという自身の価値観で選択することが重要
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