洗濯を重曹だけで済ませられたら、環境にも優しく経済的ですよね。
しかし、実際に試す前に、本当に重曹で洗濯するとどんな効果があるのか、重曹は洗濯で洗剤代わりになるのか、といった点は確かめておきたいところです。
また、重曹洗濯のデメリットや失敗、後悔に関する情報も気になります。
洗濯に使う重曹の量や具体的な使い方、頑固な汚れに対するつけおきの方法、さらには洗濯洗剤と混ぜる際の注意点や、重曹を使った洗濯洗剤の作り方まで、知りたいことはたくさんあるでしょう。
洗濯には重曹とクエン酸どっちが良いのか、そして重曹は柔軟剤の代わりになるのかという疑問も生じます。
安易に洗濯を重曹だけで行うと、期待した効果が得られないばかりか、衣類や洗濯機を傷めてしまう可能性も否定できません。
この記事では、そうした皆様の疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消し、重曹洗濯を正しく安全に実践していただくための情報を、網羅的に分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- 重曹だけで洗濯する際の具体的な効果と限界
- 汚れや目的に合わせた重曹の正しい使い方と適量
- 洗濯における重曹のデメリットと注意すべきポイント
- 洗剤やクエン酸など他のアイテムとの効果的な併用方法
洗濯は重曹だけで大丈夫?基本の効果と注意点

- 重曹で洗濯するとどんな効果がある?
- 知っておきたい重曹洗濯のデメリット
- 重曹は洗濯で洗剤代わりになるのか
- 洗濯には重曹とクエン酸どっちが良い?
- 重曹は柔軟剤の代わりになる?
重曹で洗濯するとどんな効果がある?

重曹を洗濯に使用すると、主に「皮脂汚れへの効果」と「消臭効果」という二つの大きなメリットが期待できます。
重曹は弱アルカリ性の性質を持っているため、酸性の汚れを中和して落としやすくする働きがあります。
洗濯物の汚れの多くは、人の体から出る皮脂や汗といった酸性の汚れです。
重曹はこれらの汚れに作用し、分解を助けます。
特に、ワイシャツの襟や袖口に付着しがちな皮脂汚れが原因で起こる黄ばみの予防に役立ちます。
蓄積してしまった頑固な黄ばみを真っ白にするほどの強力な漂白作用はありませんが、日々の洗濯に取り入れることで、汚れの蓄積を防ぐ効果が見込めます。
もう一つの大きな効果が消臭です。
汗や皮脂が酸化したり、雑菌が繁殖したりすることで発生する衣類の嫌な臭いも、その多くが酸性の性質を持っています。重曹の弱アルカリ性がこれらの臭い成分を中和し、無臭化してくれるのです。
このように、重曹は穏やかながらも、洗濯における特定の悩みに対して有効な効果を発揮します。
市販の洗剤が持つ強力な洗浄力とは異なりますが、汚れの種類を見極めて使用することで、そのメリットを十分に活かすことができるのです。
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知っておきたい重曹洗濯のデメリット

重曹を使った洗濯は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや注意点も存在します。
これらを理解しないまま使用すると、期待した効果が得られないばかりか、衣類や洗濯機にダメージを与えてしまう可能性もあるため注意が必要です。
最大のデメリットは、市販の洗濯洗剤と比較して洗浄力が穏やかである点です。
前述の通り、重曹は皮脂汚れのような酸性の汚れには効果的ですが、泥汚れ、インクのシミ、油分の多い食品のシミといった頑固な汚れを落とす力はほとんど期待できません。
洗浄力が不足すると、落としきれなかった汚れが繊維の奥に蓄積し、時間とともに衣類の黒ずみや黄ばみ、臭いの原因となることがあります。
また、重曹は水に溶けにくい性質を持っています。
特に水温が低い冬場などは、溶け残った重曹の粒子が洗濯物に白い粉として付着してしまうことがあります。これが乾くと、まるで汚れのように見えてしまうのです。
さらに深刻なのは、溶け残った重曹が洗濯機の排水ホースやフィルターに蓄積し、詰まりを引き起こすリスクがある点です。詰まりは水漏れや故障の原因となりかねません。
残留した重曹がセンサーの誤作動を引き起こすこともあるため、多くのメーカーでは重曹の使用を推奨していません。ご使用の洗濯機が重曹に対応しているか、必ず取扱説明書で確認することが大切です。
加えて、デリケートな素材への使用にも注意が求められます。
ウールやシルクといった天然繊維は、アルカリ性に弱く、重曹を使用すると生地の風合いを損ねたり、ごわつきの原因になったりします。麻などの天然素材も変色する可能性があるため、使用は避けた方が賢明です。
これらのデメリットから、重曹は万能な洗浄剤ではなく、その特性を理解し、適切な場面で正しく使用することが求められると言えます。
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重曹は洗濯で洗剤代わりになるのか

「重曹は洗濯洗剤の代わりとして、単体で使えるのか」という点は、多くの方が抱く疑問の一つでしょう。この問いに対する答えは、「条件付きで可能だが、完全な代替にはならない」というのが実情です。
重曹だけでも、軽い皮脂汚れや汗の臭いが気になる程度の洗濯物であれば、ある程度の効果を発揮します。
例えば、一日の着用で少し汗をかいただけのTシャツや、それほど汚れていないタオルなどです。
このようなケースでは、重曹の弱アルカリ性が酸性の汚れや臭いを中和し、さっぱりと洗い上げることが可能です。
ナチュラルな素材で肌への負担も少ないため、敏感肌の方や赤ちゃんの衣類に対して、洗剤の残留を避けたい場合に選択肢となり得ます。
しかし、市販の洗濯洗剤の代わりとして日常のあらゆる洗濯を重曹だけで行おうとすると、問題が生じやすくなります。
また、泥汚れ、食べこぼしのシミ、化粧品の汚れなど、多様な汚れに対応する力はありません。
市販の洗濯洗剤には、界面活性剤をはじめ、汚れを再付着させない成分や、酵素、漂白成分など、様々な種類の汚れに対応するための多様な化学成分がバランス良く配合されています。
これにより、少ない労力で高い洗浄効果が得られるのです。
以上の点を踏まえると、重曹は洗濯洗剤の完全な代替品とは言えません。
あくまで「洗浄力を補助するアイテム」または「軽い汚れに限定して使用するアイテム」と位置づけるのが適切です。
汚れの少ない洗濯物に限定して使用したり、洗剤と併用したりすることで、その長所を安全に活かすことができるでしょう。
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洗濯には重曹とクエン酸どっちが良い?

重曹と並んでナチュラルクリーニングの代表格として知られるクエン酸ですが、洗濯においてどちらを使えば良いのか迷う方も少なくありません。
この二つは性質が全く異なるため、目的によって使い分けることが肝心です。
重曹は「弱アルカリ性」であり、皮脂や汗、油汚れといった「酸性の汚れ」を中和して落とすのが得意です。
また、生乾き臭の原因となる酸性の臭いを中和する消臭効果も期待できます。
一方、クエン酸は「酸性」です。そのため、重曹とは逆の「アルカリ性の汚れ」に効果を発揮します。
洗濯におけるアルカリ性の汚れの代表例は、水道水中のミネラル分が固まってできる石鹸カスや水垢です。これらが衣類に付着すると、ごわつきの原因になります。
また、尿のアンモニア臭(アルカリ性)の消臭にも有効です。
以下の表に、それぞれの特徴と得意なことをまとめました。
特徴 | 重曹 | クエン酸 |
液性 | 弱アルカリ性 | 酸性 |
得意な汚れ | 皮脂汚れ、汗、油汚れ(酸性) | 石鹸カス、水垢(アルカリ性) |
得意な臭い | 汗の臭い、生乾き臭(酸性) | アンモニア臭(アルカリ性) |
主な効果 | 洗浄力の補助、消臭 | 柔軟仕上げ、黄ばみ予防、消臭 |
注意点 | 塩素系漂白剤との併用は可能 | 塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガス発生(危険) |
このように、洗浄力を高めたい、皮脂汚れや汗の臭いを落としたいという目的であれば「重曹」が適しています。
一方で、衣類をふんわりと仕上げたい、石鹸カスの付着によるごわつきを防ぎたい、アンモニア臭を消したいという場合には「クエン酸」が柔軟剤の代わりとして役立ちます。
両者を同時に洗濯槽に入れると、中和反応が起きて発泡し、お互いの効果を打ち消し合ってしまいます。
もし併用する場合は、通常の洗濯で重曹を使い(または洗剤のみで洗い)、すすぎの段階で柔軟剤投入口にクエン酸を入れる、という使い分けが必要です。
それぞれの性質を正しく理解し、目的に応じて選ぶことが、効果的な洗濯への鍵となります。
関連記事 洗濯には重曹とクエン酸どっちが効果的?汚れ別の使い分け術
重曹は柔軟剤の代わりになる?

重曹は柔軟剤の代わりとして使用することが可能です。
市販の柔軟剤が持つ強い香りが苦手な方や、化学物質をできるだけ避けたいと考えている方にとって、重曹は優れた代替品となり得ます。
重曹が柔軟剤として機能する理由は、その弱アルカリ性の性質にあります。
水道水に含まれるマグネシウムイオンなどは、洗剤の成分と結びついて石鹸カスとなり、衣類の繊維に付着してごわつきの原因を作ります。
重曹を水に溶かすと、これらの金属イオンの働きを抑制し、水を軟らかくする効果(軟水化作用)があります。
水が軟らかくなることで、洗剤の泡立ちが良くなると同時に、衣類の繊維が硬くなるのを防ぎ、ふんわりとした仕上がりが期待できるのです。
また、重曹には静電気を抑える効果もあるとされています。乾燥する季節に衣類が体にまとわりつくのを防いでくれるのも嬉しいポイントです。
使い方としては、通常の洗濯を行い、最後のすすぎのタイミングで重曹を加えるのが最も効果的です。
洗濯機の柔軟剤自動投入口に、水によく溶かした重曹水を入れておくだけで構いません。
使用量の目安は、水10Lに対して大さじ1杯程度です。入れすぎると溶け残りの原因になるため、量を守ることが大切です。
もちろん、市販の柔軟剤のように陽イオン界面活性剤で繊維をコーティングするわけではないため、極上のふわふわ感や強い香り付けの効果はありません。
仕上がりはあくまで自然で、香りはほぼ「無臭」になります。しかし、この「無臭」であることこそが、香りに敏感な方にとっては最大のメリットと言えるでしょう。
体にも環境にも優しく、自然な柔らかさを得られるため、柔軟剤の代替として重曹を試してみる価値は十分にあります。
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洗濯を重曹だけでする具体的な方法とコツ

- 基本となる洗濯での重曹の使い方
- 洗濯に使う重曹の量の目安は?
- 汚れがひどい時は洗濯前に重曹でつけおき
- 重曹と洗濯洗剤を混ぜる時のポイント
- 手作り派向け重曹洗濯洗剤の作り方
- まとめ|洗濯を重曹だけで行う際のポイント
基本となる洗濯での重曹の使い方

重曹を洗濯で効果的に使うためには、いくつかの基本的なポイントを押さえておく必要があります。
特に重要なのが「溶かし方」と「入れる順番」です。
ぬるま湯でしっかり溶かす
前述の通り、重曹は冷たい水に溶けにくい性質を持っています。
溶け残りを防ぎ、効果を最大限に引き出すために、洗濯には40℃程度のぬるま湯を使用するのが理想的です。
事前にお湯で重曹を溶かしてから洗濯槽に入れると、より確実です。お風呂の残り湯が温かいうちに活用するのも経済的で良い方法と言えます。
洗濯機での基本的な手順
洗濯機で重曹を使う際の基本的な手順は以下の通りです。
- お湯をためる: まず、洗濯槽に40℃程度のぬるま湯をためます。
- 重曹を入れる: 次に、規定量の重曹を入れ、洗濯機を数分間「洗い」コースで回して、重曹をしっかりとお湯に溶かします。このひと手間が溶け残りを防ぎます。
- 洗濯物を入れる: 重曹が完全に溶けたのを確認してから、洗濯物を投入します。先に入れてしまうと、洗濯物に直接重曹の粉が付着し、溶け残りの原因になります。
- 洗濯を開始する: あとは通常通りに洗濯機を運転させます。
この手順は、重曹だけで洗う場合も、洗剤と併用する場合も共通です。特に、重曹を先に入れて溶かすことで水が軟化し、後から入れる洗剤の泡立ちを良くする効果も期待できます。
ドラム式洗濯機での注意
もし使用を検討する場合は、必ず洗濯機の取扱説明書を確認し、自己責任で行う必要があります。
使用する場合でも、ごく少量にとどめ、必ずぬるま湯で完全に溶かしてから洗剤投入口に入れるなど、細心の注意が求められます。
基本を忠実に守ることが、重曹洗濯を成功させるための第一歩です。
関連記事 『初心者必見』洗濯のやり方を徹底解説!基本から干し方まで
洗濯に使う重曹の量の目安は?

重曹を洗濯に使う際、適切な量を知ることは非常に大切です。
量が少なすぎると期待した効果が得られず、逆に多すぎると溶け残りや洗濯機の詰まりといったトラブルの原因になります。
以下に、使用目的別の量の目安を解説します。
洗濯用洗剤と併用する場合
いつもの洗濯の効果を補助する目的で、洗濯用洗剤と混ぜて使う方法です。この場合、洗浄の主役はあくまで洗剤です。
- 目安: 水30Lに対し、大さじ1~2杯程度(約15~30g)
- 使い方: 洗剤と一緒に、または洗剤を入れる前に洗濯槽に直接投入します。重曹を先に入れると水が軟化し、洗剤の働きを助ける効果が期待できます。
重曹だけで洗濯する場合
汚れの少ない衣類を重曹のみで洗う場合は、洗剤の代わりとして少し多めに使用します。
- 目安: 水30Lに対し、カップ半分程度(約100g)
- 使い方: 必ずぬるま湯で事前にしっかりと溶かしてから洗濯物を入れてください。洗浄力が穏やかなため、軽い汚れに限定するのが賢明です。
柔軟剤として使用する場合
衣類をふんわりと仕上げる目的で、柔軟剤の代わりとして使います。
- 目安: 水10Lに対し、大さじ1杯程度(約15g)
- 使い方: 最後のすすぎの際に加えるのが効果的です。予め少量のぬるま湯で溶かしたものを、洗濯機の柔軟剤自動投入口に入れておきます。
つけおき洗いに使用する場合
頑固な皮脂汚れや臭いを取るためのつけおきに使う方法です。
- 目安: ぬるま湯10Lに対し、大さじ3~4杯程度(約45~60g)
- 使い方: 洗面器やバケツにぬるま湯と重曹をよく溶かし、衣類を30分~1時間ほど浸します。
これらの量はあくまで一般的な目安です。
洗濯物の量や汚れの度合い、お使いの洗濯機の種類によって微調整が必要な場合があります。
初めは少なめの量から試し、洗濯物の仕上がりを見ながらご家庭に合った最適量を見つけていくことをお勧めします。
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汚れがひどい時は洗濯前に重曹でつけおき

通常の洗濯だけでは落ちにくい、ワイシャツの襟や袖の頑固な黄ばみ、汗の臭いが染み付いてしまったTシャツなどには、洗濯機に入れる前の「つけおき洗い」が非常に効果的です。
重曹のアルカリ性の力をじっくりと時間をかけて作用させることで、繊維の奥に入り込んだ酸性の汚れを分解し、浮き上がらせることができます。
基本的なつけおきの手順
- つけおき液を作る: 洗面器やバケツなどに、40℃程度のぬるま湯を衣類が浸かるくらいまで入れます。そこへ、お湯10Lあたり大さじ3~4杯程度の重曹を加え、手でかき混ぜて完全に溶かします。
- 衣類を浸す: 汚れが気になる部分がしっかりと液に浸かるように、衣類を沈めます。
- 時間を置く: そのまま30分から1時間ほど放置します。あまり長時間つけすぎると、一度溶け出した汚れが再び衣類に付着してしまう「再汚染」の可能性があるため、一晩中つけっぱなしにするのは避けた方が良いでしょう。
- 通常通り洗濯する: つけおきが終わったら、衣類を軽く絞り、つけおき液ごと洗濯機に入れます。あとは他の洗濯物と一緒に、通常通り洗濯用洗剤を使って洗濯します。
より効果を高める「重曹ペースト」の活用
特に汚れが集中している部分には、「重曹ペースト」を直接塗り込む方法がおすすめです。
- ペーストを作る: 小さな容器に重曹を大さじ2~3杯入れ、そこに少量のぬるま湯を少しずつ加えながら練り、歯磨き粉くらいの固さのペースト状にします。
- 汚れに塗り込む: 作成したペーストを、歯ブラシなどを使って黄ばみやシミの部分に直接塗り込み、よくなじませます。
- 放置してから洗濯する: ペーストを塗ったまま15~30分ほど放置した後、上記のつけおきを行うか、そのまま洗濯機で洗います。
このつけおき洗いは、重曹の持つ力を最大限に引き出すための有効な手段です。
諦めていた汚れや臭いも、このひと手間で改善される可能性がありますので、ぜひ試してみてください。
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重曹と洗濯洗剤を混ぜる時のポイント

重曹と市販の洗濯洗剤を混ぜて使う方法は、重曹のメリットを手軽に取り入れられるため、初心者にもおすすめの実践的な活用法です。
この方法により、洗剤の洗浄力を重曹が補助し、消臭効果や皮脂汚れに対する効果を高めることが期待できます。しかし、効果を最大限に引き出すためにはいくつかのポイントがあります。
第一に、併用する洗剤の種類に注意が必要です。
重曹は弱アルカリ性なので、同じアルカリ性の洗剤や、一般的な中性洗剤と組み合わせるのが基本です。
ただし、近年増えている「混ぜるな危険」と表示のある塩素系漂白剤とは絶対に混ぜないでください。
有毒なガスが発生するわけではありませんが、それぞれの効果を打ち消し合ってしまう可能性があります。
また、酵素入りの洗剤の場合、重曹のアルカリ性が酵素の働きを阻害することがあるとも言われています。
第二に、入れる順番とタイミングが大切です。
最も効果的なのは、洗濯槽にぬるま湯をためた後、まず重曹を先に入れて数分間かくはんし、完全に溶かすことです。
これにより水が軟化し、後から入れる洗剤の泡立ちが促進され、洗浄効率がアップします。
重曹を溶かした後に、規定量の洗剤を投入し、それから洗濯物を入れるという流れが理想的です。
粉末洗剤と粉末の重曹を同時に投入しても大きな問題はありませんが、液体洗剤の場合はこの順番を意識すると良いでしょう。
第三に、量を守ることです。
洗浄力を高めたいからといって重曹を大量に入れるのは逆効果です。
あくまで洗剤が主役であり、重曹は補助役です。水30Lに対して大さじ1~2杯程度を目安とし、入れすぎによる溶け残りを防ぎましょう。
これらのポイントを押さえることで、いつもの洗濯を簡単にグレードアップさせることができます。
重曹単体での洗濯に不安がある方も、まずはこの併用から始めてみてはいかがでしょうか。
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手作り派向け重曹洗濯洗剤の作り方

市販の洗剤を避け、より自然な素材で洗濯をしたいと考える方のために、重曹をベースにした手作り洗濯洗剤の作り方をご紹介します。
このレシピは、重曹の他に、より洗浄力の高いアルカリ剤を組み合わせることで、重曹単体よりも高い洗浄効果を目指すものです。
基本の「重曹+過炭酸ナトリウム」洗剤
洗浄力を高めるため、重曹に「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」を組み合わせます。
過炭酸ナトリウムは、重曹よりもアルカリ度が高く、水に溶けると酸素の泡を発生させて汚れを分解します。
除菌・漂白・消臭効果もあり、洗濯に適した素材です。
- 材料
- 重曹:2
- 過炭酸ナトリウム:1
- (お好みで)クエン酸:柔軟剤として別途使用
- 作り方(使用の都度混ぜる)
- 洗濯の直前に、上記の「2:1」の割合で重曹と過炭酸ナトリウムを混ぜ合わせます。例えば、重曹をカップ1杯なら、過炭酸ナトリウムはカップ半分です。
- これを洗剤として洗濯槽に直接投入します。
- 使い方
- この手作り洗剤は、40℃以上のぬるま湯で最も効果を発揮します。
- 衣類をふんわり仕上げたい場合は、すすぎの際に柔軟剤投入口にクエン酸を小さじ1杯程度溶かしたものを入れておくと、アルカリ性に傾いた洗濯物を中和し、柔軟効果が得られます。
- 過炭酸ナトリウムはアルカリ性が強いため、肌が弱い方はゴム手袋を使用すると安心です。また、ウールやシルクなどの動物性繊維には使用できません。
液体タイプの作り置き洗剤
毎回混ぜるのが手間に感じる方向けに、液体せっけんをベースにした作り置きタイプもあります。
- 材料
- 無添加の液体せっけん:250ml
- 水:3L
- 重曹:200g
- 塩:80g(洗浄助剤として)
- (お好みで)アロマオイル:数滴
- 作り方
- 鍋に水3Lを入れて火にかけ、50℃程度に温めます(沸騰させない)。
- 火を止めてから、重曹、塩、液体せっけんを順番にゆっくりと加え、泡立てないように静かに混ぜて溶かします。
- 完全に冷めたら、お好みでアロマオイルを数滴加え、空のペットボトルや洗剤容器に移して保管します。
- 使い方
- 洗濯物の量に応じて、1回の洗濯で60ml~120ml程度を使用します。
- 防腐剤が入っていないため、なるべく早く使い切るようにしましょう。
これらの手作り洗剤は、環境への負荷を減らし、自分好みの洗濯を実現できる点が魅力です。
ただし、市販品ほどの洗浄力や保存性はないことを理解した上で、楽しみながら試してみてください。
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まとめ|洗濯を重曹だけで行う際のポイント
この記事で解説してきた、洗濯を重曹だけで行う際の重要なポイントを以下にまとめます。
日々の洗濯に重曹を取り入れる際の参考にしてください。
- 重曹洗濯は皮脂汚れや汗の臭いなど酸性の汚れに効果的
- 基本的な効果は洗浄補助と消臭作用
- 市販の洗剤に比べて洗浄力は穏やかである
- 泥汚れやインクなどの頑固な汚れを落とす力は弱い
- 冷たい水には溶けにくくぬるま湯での使用が基本
- 溶け残りは衣類の白残りや洗濯機の詰まりの原因になる
- ドラム式洗濯機での使用は故障リスクがあり非推奨の場合が多い
- ウールやシルクなどデリケートな天然繊維への使用は避ける
- 麻などの素材は変色する可能性があるため注意が必要
- 洗剤の代わりとして使う場合は軽い汚れに限定する
- 柔軟剤の代わりとして使用でき自然なふんわり感を得られる
- クエン酸はアルカリ性の汚れに効き重曹とは得意分野が異なる
- つけおき洗いは頑固な皮脂汚れや臭いに有効
- 洗濯洗剤と併用することで洗浄補助効果を手軽に得られる
- 使用量は目的や洗濯物の量に応じて適切に調整することが大切