お気に入りの白い服やタオルをいつも通り洗濯したはずが、取り出してみるとうっすら赤くなる、あるいはピンク色に変色していてがっかりした経験はありませんか。
特に、大切にしている黒い服が赤茶けてしまったり、清潔なはずのタオルがまだら模様になったりすると、気分も落ち込んでしまいます。
このような洗濯物が赤くなる現象には、実は様々な原因が隠されています。
多くの方が思い浮かべる洗濯物へのピンクのカビの発生だけでなく、汗が付着した白い服が赤くなる問題や、日焼け止めとハイターのような漂白剤との化学反応、さらにはワイドハイターやオキシクリーンを使った正しい洗濯物のピンクの落とし方を知らないことも、失敗や後悔につながります。
この記事では、洗濯物が赤くなる理由を徹底的に解明し、原因に応じた適切な対処法を網羅的にご紹介します。
- 洗濯物が赤くなる現象の主な原因
- 原因別の具体的な汚れの落とし方
- 各種漂白剤の正しい使い分けと注意点
- 日々の洗濯で変色を未然に防ぐ予防策
洗濯で赤くなるのはなぜ?原因と理由を解説

洗濯物が赤やピンク色に変色してしまう現象には、いくつかの原因が考えられます。
原因を正しく見極めることが、適切な対処への第一歩です。ここでは、変色の主な原因とその理由について、詳しく見ていきましょう。
- まずは洗濯で赤くなる理由を特定しよう
- 4つの主な原因を詳しく解説
- 洗濯物がピンクになるカビは酵母菌が正体
- タオルが特にピンクになりやすいのはなぜ?
- 日焼け止めによる化学反応も一因
- 白い服が赤くなるのは汗や皮脂汚れの影響
- 黒い服が赤っぽく見える染料の特性
まずは洗濯で赤くなる理由を特定しよう

洗濯物を取り出した際に赤やピンクへの変色に気づいたら、まずは慌てずに「なぜ変色したのか?」という理由を考えることが大切です。
例えば、雑菌の繁殖が原因の場合と、他の衣類からの色移りが原因の場合とでは、使用すべき洗剤や洗い方が全く違います。
もし間違った方法を試してしまうと、汚れが落ちないばかりか、かえって衣類を傷めてしまう可能性も否定できません。
変色の特徴をよく観察することが、理由を特定する上での重要な手がかりとなります。
衣類全体が均一に変色しているのか、それとも襟や袖口など部分的なのか、また、特定の衣類だけに変色が見られるのかなど、状況を正確に把握しましょう。
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4つの主な原因を詳しく解説

洗濯物が赤くなる主な原因は、大きく分けて4つに分類できます。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
原因 | 特徴 | 主な対象物 |
酵母菌の繁殖 | ・湿った状態で長時間放置すると発生 ・ぬめりを伴うピンク色の変色 ・梅雨時や夏場に多い | タオル、肌着、汗をかいた衣類 |
化学反応 | ・日焼け止めと塩素系漂白剤が反応 ・襟や袖口などが部分的にピンクになる | 白いTシャツ、Yシャツ、パーカー |
色移り | ・色の濃い衣類と一緒に洗濯した際に発生 ・新品の衣類から染料が溶け出す | 白や淡い色の衣類全般 |
鉄サビ | ・水道管の老朽化が原因 ・水道水自体が赤茶色に濁っている ・衣類全体が黄ばんだり赤茶けたりする | 衣類全般 |
このように、一口に「赤くなる」と言っても、その背景は様々です。
雑菌の繁殖や化学反応は予防が可能であり、色移りや鉄サビは洗濯時の注意や住環境の見直しが必要になるなど、対策も多岐にわたります。
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洗濯物がピンクになるカビは酵母菌が正体

洗濯物に見られるピンク色の汚れは、一般的に「赤カビ」と呼ばれますが、生物学的にはカビではなく「ロドトルラ」という酵母菌の一種です。
この菌は浴室や洗面所といった湿度の高い水回りを好み、空気中にも普通に存在しています。
ロドトルラは、皮脂や石鹸カス、汚れなどを栄養源として増殖します。
そのため、汗や皮脂が付着し、水分を含んだ洗濯物は、この菌にとって絶好の繁殖環境となります。
このピンク色の汚れは、見た目の不潔さだけでなく、放置すると黒カビの発生を誘発することもあるため、早めの対処が求められます。
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タオルが特にピンクになりやすいのはなぜ?

家庭内の洗濯物の中でも、タオルは特にピンク色に変色しやすいアイテムと言えます。これには、タオルの使用目的と構造が深く関係しています。
タオルは、入浴後や手洗い後など、水分を拭き取るために使われるのが主な役割です。そのため、必然的に水分を多く含み、湿った状態が長く続きます。
前述の通り、ピンク汚れの原因であるロドトルラは水分と湿気を好むため、使用後のタオルはこの菌が繁殖するのに最適な条件を備えているのです。
また、タオルはパイル織りという特殊な構造をしています。このループ状の繊維は、水分や汚れを吸着しやすい一方で、繊維の奥に皮脂や石鹸カスが残りやすいというデメリットも持ち合わせています。
この残留した汚れが菌の栄養源となり、増殖をさらに後押ししてしまうわけです。これらの理由から、他の衣類に比べてタオルは格段にピンク色へ変色しやすいと考えられます。
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日焼け止めによる化学反応も一因

夏場に白いTシャツの襟や袖口だけが部分的にピンク色に変色した場合、日焼け止めが原因である可能性が非常に高いです。
これは、特定の日焼け止めに含まれる成分が、洗濯時に使用した塩素系漂白剤と化学反応を起こすことで発生します。
これは生地自体が染まったわけではなく、生地に付着した日焼け止めの成分が変色している状態です。
したがって、このタイプの変色を落とすには、漂白ではなく、原因となっている日焼け止めの成分をしっかりと洗い流すことが解決策となります。
日焼け止めを塗った肌が触れる部分の変色に気づいたら、この化学反応を疑ってみましょう。
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白い服が赤くなるのは汗や皮脂汚れの影響

「日焼け止めも漂白剤も使っていないのに、白い服が赤くなる」というケースでは、汗や皮脂汚れの蓄積が原因として考えられます。
汗には、水分以外にも微量のタンパク質や脂質、ミネラルなどが含まれています。これらの成分が繊維の奥に付着したまま長時間放置されると、空気中の酸素と反応して酸化し、変色を引き起こすのです。
これが黄ばみの主な原因ですが、皮脂汚れと混ざり合い、さらに雑菌が繁殖することで、赤っぽい色に変質していくことがあります。
一見きれいに洗濯できているようでも、通常の洗濯だけでは繊維の奥深くに染み込んだ汗や皮脂の成分を完全に落としきれていない場合があります。
このような落としきれない汚れが蓄積していくことで、徐々に変色が進行していくわけです。
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黒い服が赤っぽく見える染料の特性

黒い服を繰り返し洗濯しているうちに、全体的に赤茶けたような色合いに褪せてしまうことがあります。これは汚れや菌の付着ではなく、黒い染料そのものの特性による「退色」が原因です。
実は、「黒」という色は、単一の色素で作られているわけではありません。多くの場合、赤、青、黄色といった複数の色素を混ぜ合わせることで、深みのある黒色が表現されています。
その結果、他の色素が抜けてしまった分、残った赤みが表面に現れ、黒い服が赤っぽく見えるようになります。
これは染料の性質上、ある程度は避けられない現象ですが、洗濯方法を工夫することで、色褪せのスピードを遅らせることは可能です。
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実践!洗濯で赤くなる悩みを解決する落とし方

変色の原因が特定できたら、次はいよいよ実践です。ここでは、原因別に、変色してしまった洗濯物を元に戻すための具体的な落とし方を解説します。
正しい知識と手順で、諦めかけていた衣類をきれいに蘇らせましょう。
- 基本的な洗濯物のピンクの落とし方の手順
- 洗濯物がピンクならワイドハイターでつけ置き
- 洗濯物がピンクならオキシクリーンも効果的
- 塩素系ハイターは使い方に注意が必要
- まとめ|洗濯で赤くなる!解決できないならプロに相談
基本的な洗濯物のピンクの落とし方の手順

酵母菌の繁殖によってピンク色に変色してしまった場合、基本的な落とし方は「除菌」と「漂白」です。
原因となっている菌を死滅させ、菌が作り出した色素を分解することで、元の色に戻すことができます。
その最も効果的な方法が、酸素系漂白剤を使った「つけ置き洗い」です。手順は以下の通りです。
- 漂白液の準備: 40~50℃のお湯を洗面器やバケツに用意します。お湯を使うことで、漂白剤の効果が格段に高まります。規定量の酸素系漂白剤を入れ、よくかき混ぜて溶かしてください。
- つけ置き: ピンク色になった衣類を漂白液に完全に浸し、30分から2時間程度つけ置きします。汚れがひどい場合は、少し長めに時間を置くと良いでしょう。
- 通常の洗濯: つけ置きが終わったら、衣類を漂白液ごと洗濯機に入れ、他の洗濯物と一緒に通常のコースで洗濯します。
この手順で、ほとんどの菌によるピンク汚れは解消されるはずです。
洗濯物がピンクならワイドハイターでつけ置き

酸素系漂白剤の中でも、花王の「ワイドハイター」シリーズは、手軽に入手でき、効果も高いため広く知られています。
特に粉末タイプの「ワイドハイター PRO 強力分解パウダー」は、液体タイプに比べて洗浄力や除菌・漂白効果が高いのが特徴です。

ワイドハイターを使ったつけ置き洗いは、前述の基本的な手順と同様です。40~50℃のお湯に適量を溶かして使用します。
白い衣類はもちろん、お気に入りの色物のTシャツやタオルがピンクに変色してしまった場合にも試すことができます。
注意点として、毛や絹といったデリケートな素材には使用できない場合があります。
また、金属製のボタンやファスナーが付いている衣類は、化学反応を起こして傷む可能性があるため、使用を避けるか、その部分が漂白液に触れないよう工夫が必要です。
洗濯物がピンクならオキシクリーンも効果的

「オキシ漬け」で一躍有名になった「オキシクリーン」も、ワイドハイターと同様に酸素系漂白剤の一種であり、ピンク汚れに高い効果を発揮します。
主成分は過炭酸ナトリウムで、お湯に溶かすことで発生する酸素の泡が、汚れと菌を強力に分解します。
オキシクリーンを使ったつけ置きの手順も基本的には同じです。
40~60℃のお湯に溶かして使うのが最も効果的とされています。アメリカ製と日本製で成分や洗浄力が若干異なりますが、どちらもピンク汚れの除去には有効です。
オキシクリーンの利点は、洗濯だけでなく、キッチン用品の掃除や浴室の清掃など、家中の様々な場所で活用できる点にもあります。
洗濯物の変色をきっかけに購入し、ナチュラルクリーニングの幅を広げてみるのも良いかもしれません。ただし、こちらもウールやシルク、革製品などには使用できないため、素材の確認は忘れずに行いましょう。

塩素系ハイターは使い方に注意が必要

「ハイター」という名前で最も強力な漂白剤として知られているのが、塩素系の漂白剤です。除菌・漂白力は非常に高いものの、その強力さゆえに使い方には細心の注意が求められます。
塩素系漂白剤のデメリットと危険性
塩素系漂白剤は、色柄物に使用すると、その柄や色まで根こそぎ脱色してしまいます。
最も注意すべきは、日焼け止めが付着した衣類への使用です。
前述の通り、日焼け止めの成分と化学反応を起こし、落とすのが困難なピンク色の変色を引き起こします。
夏場の白い衣類には絶対に使用しない方が賢明です。
また、酸性タイプの製品と混ざると有毒な塩素ガスが発生する危険性があるため、取り扱いには必ず換気を行い、ゴム手袋を着用するなど、安全への配慮が不可欠です。
強力な薬剤である分、繊維へのダメージも大きいため、最終手段と考えるべきでしょう。
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まとめ|洗濯で赤くなる!解決できないならプロに相談
記事のポイントをまとめます。
- 洗濯物が赤くなる主な原因は酵母菌、化学反応、色移り、鉄サビの4つ
- 原因を見極めてから対処することが大切
- ピンク汚れの原因は「ロドトルラ」という酵母菌
- 菌は湿気と皮脂汚れを栄養に増殖する
- 使用後のタオルは菌が繁殖しやすいため特に注意が必要
- 日焼け止めと塩素系漂白剤が反応するとピンク色に変色する
- 汗や皮脂の蓄積汚れが酸化し、赤みを帯びることもある
- 黒い服の赤みは、染料の色褪せが原因の場合が多い
- 菌によるピンク汚れは酸素系漂白剤でのつけ置きが効果的
- つけ置きは40~50℃のお湯を使うと効果が高まる
- ワイドハイターやオキシクリーンは代表的な酸素系漂白剤
- 酸素系漂白剤は色柄物にも使えるのがメリット
- 塩素系ハイターは色柄物には使用不可
- 日焼け止めが付着した衣類への塩素系ハイターの使用は避ける
- どうしても汚れが落ちない場合や、高価な衣類はクリーニング店に相談するのも一つの手