毎日の洗濯で「注水すすぎ」と「ためすすぎ」のどっちがいいのか、迷ったことはありませんか。
洗濯機の設定一つで、汚れ落ちや仕上がりが変わると言われています。注水すすぎとはそもそもどのような機能なのか、また、ためすすぎと比較して洗剤残りはどう違うのか、気になりますよね。
特にドラム式や縦型洗濯機といった種類によっても効果が変わるのか、注水すすぎと柔軟剤の相性、そして注水すすぎのデメリットも知っておきたいところです。
さらに、注水すすぎ一回とためすすぎ二回では水道代にどれほどの差が出るのか、あるいは、ためすすぎ3回と注水すすぎ2回のような、より丁寧な設定ではどうなるのか、結局どちらがおすすめなのか、具体的な答えが欲しい方も多いはずです。
この記事では、あなたの洗濯に関するあらゆる疑問を解決します。
- 注水すすぎとためすすぎの基本的な違い
- 汚れ落ちや洗剤の残留量の比較
- 水道代や電気代といったコストの差
- あなたの状況に合わせた最適なすすぎ方法の選び方
注水すすぎとためすすぎどっちがいい?基本を解説

- 注水すすぎとは?ためすすぎとの違い
- ドラム式・縦型洗濯機での効果の違い
- ためすすぎと注水すすぎの洗剤残りを比較
- 知っておきたい注水すすぎのデメリット
- 注水すすぎで柔軟剤を効果的に使うコツ
注水すすぎとは?ためすすぎとの違い

洗濯機のすすぎ方法には、主に「注水すすぎ」と「ためすすぎ」の2種類があり、それぞれに根本的な違いがあります。この違いを理解することが、最適な洗濯方法を選ぶ第一歩となります。
まず「ためすすぎ」とは、洗濯槽に設定された水量まで水を溜めた後、その溜めた水を使って衣類をすすぐ方法です。
多くの洗濯機で標準コースに設定されており、水を入れ替えながら複数回(通常は2回)行われます。使用する水の量が決まっているため、節水効果が高いのが特徴です。
一方「注水すすぎ」は、洗濯槽に水を溜めながら、同時に排水も行い、常に新しい水を供給し続けながらすすぐ方法です。
衣類から洗い流された洗剤や汚れが、溜まった水に再付着するのを防ぎ、常にきれいな水で洗い流せるため、高いすすぎ効果が期待できます。衣類をより清潔に仕上げたい場合に適した方法と言えます。
要するに、ためすすぎは水を溜めて効率的にすすぐ節水重視の方法であり、注水すすぎは水を流しっぱなしにして徹底的にすすぐ洗浄力重視の方法である、ということです。
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ドラム式・縦型洗濯機での効果の違い

注水すすぎとためすすぎの効果は、お使いの洗濯機が「ドラム式」か「縦型洗濯機」かによっても変わってきます。
それぞれの洗濯機の洗浄方式の特性が、すすぎのプロセスに影響を与えるためです。
縦型洗濯機の場合
縦型洗濯機は、洗濯槽の底にあるパルセーター(回転羽根)を回して力強い水流を作り出し、衣類同士をこすり合わせる「もみ洗い」で汚れを落とします。
たっぷりの水を使うのが特徴で、注水すすぎを行うと、この豊富な水量と新しい水の連続供給が相まって、繊維の奥に入り込んだ洗剤成分までもしっかりと洗い流す効果が高まります。
ドラム式洗濯機の場合
ドラム式洗濯機は、ドラムを回転させて衣類を上から下へ落とす「たたき洗い」が基本です。
ドラム式洗濯機にも注水すすぎ機能(メーカーによっては「シャワーすすぎ」など名称が異なる場合があります)が搭載されており、ドラムを回転させながら衣類全体にシャワー状の水をかけてすすぎます。
これにより、少ない水量でも効率的に洗剤を洗い流すことが可能です。
このように、縦型は豊富な水量で、ドラム式は少ない水量を活かしたシャワーで、それぞれの仕組みに合わせた注水すすぎが行われます。
どちらのタイプでも注水すすぎは洗浄力を高めますが、その効果の現れ方には違いがあるのです。
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ためすすぎと注水すすぎの洗剤残りを比較

洗濯物の仕上がりで特に気になるのが、洗剤が衣類に残っていないかという点です。
肌への影響や、タオルのゴワつき、衣類の黄ばみの原因にもなるため、洗剤残りの少なさはすすぎ方法を選ぶ上で大切な判断基準になります。
一般的に、注水すすぎは常に新しい水で洗い流すため、ためすすぎよりも洗剤残りが少ないと思われがちです。
しかし、重要なのは「使用する水の総量」との関係性です。
ある検証によると、同じ水量を使用した場合、実は「ためすすぎ」を2回行う方が、「注水すすぎ」を1回行うよりも洗剤の除去率が高いという結果が示されています。
これは、ためすすぎが水を完全に入れ替えて段階的に洗剤濃度を薄めていくのに対し、注水すすぎは薄まった洗剤液を排出しながら新しい水を追加していくため、効率の面で違いが出るからです。
例えば、洗濯物に残った洗剤量を100と仮定して単純化すると、以下のようになります。
- ためすすぎ1回目: 90%の洗剤が水に溶け出し、衣類に残るのは10。
- ためすすぎ2回目: 残った10のうち90%が洗い流され、最終的に衣類に残るのは1。
- 注水すすぎ1回: 水を少しずつ入れ替えながらすすぐため、最終的に衣類に残る洗剤は3程度になるという計算もあります。
これらのことから、単純に注水すすぎだから安心というわけではなく、ためすすぎでも回数を重ねれば、十分に洗剤を洗い流すことが可能であると言えます。
肌がデリケートな方や赤ちゃんの衣類を洗う際は、ためすすぎの回数を増やすか、注水すすぎを選ぶか、状況に応じて判断するのが賢明です。
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知っておきたい注水すすぎのデメリット

高いすすぎ効果が期待できる注水すすぎですが、メリットばかりではありません。利用する前に知っておくべきデメリットも存在します。
主にコスト面と、柔軟剤との関係が挙げられます。
水道代が高くなる
最も大きなデメリットは、使用する水の量が大幅に増えることです。
ためすすぎが決められた水量で効率的にすすぐのに対し、注水すすぎは新しい水を供給し続けるため、1回の洗濯で使う水の総量は1.5倍以上になることもあります。
毎日の洗濯で注水すすぎを常用すると、月々の水道代に無視できない差額となって表れる可能性があります。節水を最優先に考えているご家庭にとっては、この点は大きな懸念材料となるでしょう。
柔軟剤の効果が薄れる可能性がある
注水すすぎは、その高い洗浄力ゆえに、柔軟剤の成分まで洗い流してしまうことがあります。
柔軟剤は、最後のすすぎのタイミングで投入され、衣類の繊維に吸着することで効果を発揮します。
これにより、期待していたふんわり感や香りの効果が弱まってしまう可能性があります。
柔軟剤の香りをしっかりと残したい、吸水性を保ちつつ柔らかく仕上げたい、といった目的がある場合には、注意が必要です。
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注水すすぎで柔軟剤を効果的に使うコツ

高い洗浄力を誇る注水すすぎですが、柔軟剤を使う際には少し注意が必要です。
原則として、常に新しい水で洗い流す注水すすぎは、柔軟剤の成分まで流してしまい、香りが弱まったり、ふんわり感が損なわれたりする可能性があります。
これは、衣類の繊維に柔軟剤がしっかりと吸着する前に、新しい水で薄められてしまうために起こります。
しかし、いくつかのコツを押さえることで、注水すすぎのメリットを活かしつつ、柔軟剤を効果的に使うことも可能です。
ここでは、その具体的な方法をいくつかご紹介します。
最後のすすぎだけ「ためすすぎ」に設定する
最も簡単で効果的なのが、洗濯機の設定を変更する方法です。
多くの洗濯機では、すすぎの回数や種類を個別に設定できます。洗いや1回目のすすぎは「注水すすぎ」でしっかり汚れを落とし、柔軟剤が投入される最後のすすぎ工程だけを「ためすすぎ」に設定しましょう。
これにより、柔軟剤が水で過度に薄まるのを防ぎ、繊維にしっかりと定着させることができます。
※細かく設定ができない機種もあります。
柔軟剤の投入タイミングを調整する
もしお使いの洗濯機が細かい設定に対応していない場合は、手動で投入するタイミングを工夫するのも一つの手です。
最後のすすぎが始まるのを確認してから、一度洗濯機を停止し、手動で柔軟剤を投入します。
その後、2〜3分ほど「ためすすぎ」で運転し、柔軟剤を全体に行き渡らせてから脱水に進むことで、効果を実感しやすくなります。少し手間はかかりますが、確実な方法です。
香りの持続性が高い柔軟剤を選ぶ
近年は、香りが長持ちするように工夫された柔軟剤も多く販売されています。例えば、香りを閉じ込めたマイクロカプセルが配合されている製品は、洗濯中や乾燥後も香りが残りやすい特徴があります。
注水すすぎをメインで使いたい場合は、こういった機能性の高い柔軟剤を選んでみるのも良いでしょう。
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脱水時間を少し短めに設定する
意外と見落としがちなのが脱水時間です。脱水時間が長すぎると、遠心力で柔軟剤の香り成分まで飛ばしてしまうことがあります。通常のコースから1〜2分短く設定するだけで、適度に水分と香りを衣類に残すことができ、乾いた後の香りの残り方が変わってくる場合があります。
このように、少しの工夫で「しっかりすすぎたい」という要望と「香りを楽しみたい」という要望は両立できます。ご自身の洗濯スタイルに合わせて、試しやすい方法から取り入れてみてください。
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注水すすぎとためすすぎどっちがいい?目的別の選び方

- 注水すすぎ一回とためすすぎ二回の水道代
- ためすすぎ3回と注水すすぎ2回では?
- 結局ためすすぎと注水すすぎはどっちがおすすめ?
- まとめ:注水すすぎとためすすぎどっちがいいか解説
注水すすぎ一回とためすすぎ二回の水道代

洗濯のランニングコストを考える上で、水道代は非常に重要な要素です。「注水すすぎ1回」と標準的な「ためすすぎ2回」では、どちらが経済的なのでしょうか。
水道代を節約したいのであれば、一般的に「ためすすぎ2回」を選択するのが合理的です。
注水すすぎは、常に新しい水を供給し続けながらすすぐため、1回の動作でも多くの水量を消費します。一方、ためすすぎは決められた水量で効率的にすすぎます。製品や設定にもよりますが、注水すすぎ1回で使う水の量は、ためすすぎ2回で使う総量よりも多くなるケースがほとんどです。
実際に、ある調査では「注水すすぎ1回」よりも「ためすすぎ2回」の方が、最大で50%程度も節水になるというデータもあります。
このような理由から、日々の水道代を節約したい場合には「ためすすぎ2回」を選ぶのが賢明です。この差は毎日の積み重ねで大きな金額になるため、コストを意識するなら、ためすすぎを基本に考えることをおすすめします。すすぎを基本とし、汚れがひどい時だけ注水すすぎを使うといった、メリハリのある使い方がおすすめです。
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ためすすぎ3回と注水すすぎ2回では?

より念入りにすすぎたいと考えたとき、「ためすすぎを3回にする」のと「注水すすぎを2回にする」のでは、どちらが良いのでしょうか。
これは、洗浄力とコストのどちらをより重視するかで答えが変わってきます。
まず洗浄力の観点から見ると、「注水すすぎ2回」の方が高い効果を期待できます。
1回目の注水すすぎで大方の洗剤を洗い流し、2回目でさらに念入りにすすぐことで、繊維の奥に残った微量な洗剤成分までもしっかりと除去できるからです。
常に新しい水で洗い続けるため、アレルギーが気になる方や、とにかく清潔さを追求したい場合には最適な選択肢となり得ます。
一方、コスト面では「ためすすぎ3回」の方が優れている可能性が高いです。
注水すすぎは水を流しっぱなしにするため、2回も行うと相当な水量になります。
それに比べてためすすぎは、1回あたりの水量は決まっています。
3回繰り返すことで使用水量は増えますが、注水すすぎ2回よりは総量を抑えられる場合が多いでしょう。
これらのことから、最高の清潔さを求めるなら「注水すすぎ2回」、コストを意識しつつ丁寧なすすぎをしたいなら「ためすすぎ3回」が適していると言えます。
関連記事 洗濯すすぎ3回で水道代を節約する家庭で使える工夫とコツ
結局ためすすぎと注水すすぎはどっちがおすすめ?

これまで解説してきた内容を踏まえると、「ためすすぎ」と「注水すすぎ」のどちらがおすすめかは、個々の状況や何を優先するかによって異なります。
あなたのライフスタイルや洗濯の目的に合わせて、最適な方法を選びましょう。
以下の表に、それぞれのすすぎ方法がどのような人におすすめかをまとめました。
優先事項 | こんな人におすすめ | 最適なすすぎ方法 | 理由 |
節約 | 水道代や電気代を少しでも抑えたい | ためすすぎ | 使用水量が少なく、経済的。標準的な汚れはこれで十分落ちる。 |
洗浄力 | 汗や泥汚れ、頑固な汚れをしっかり落としたい | 注水すすぎ | 新しい水で常に洗い流すため、高いすすぎ効果が期待できる。 |
肌へのやさしさ | 洗剤残りが気になる敏感肌の方や赤ちゃんの衣類 | 注水すすぎ または ためすすぎ(回数増) | 徹底的にすすぐことで、洗剤成分の残留リスクを低減できる。 |
柔軟剤の効果 | 柔軟剤の香りをしっかり残したい | ためすすぎ | 柔軟剤成分が水で薄まりにくく、繊維に吸着しやすい。 |
時短 | 洗濯時間を少しでも短縮したい | ためすすぎ(1回) ※対応洗剤使用 | すすぎの工程が減るため、大幅な時間短縮につながる。 |
このように、万能な方法は存在しません。
例えば、普段の軽い汚れの衣類は「ためすすぎ2回」で経済的に洗濯し、週末の子供の体操服や汗をたくさんかいたスポーツウェアは「注水すすぎ」で念入りに洗う、といった使い分けが最も賢い選択と言えるかもしれません。
ご自身の洗濯物の種類や汚れの程度、そして家計とのバランスを考えて、設定を柔軟に変えていくことが、満足度の高い洗濯を実現する鍵となります。
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まとめ|注水すすぎとためすすぎどっちがいいか解説
記事のポイントをまとめます。
- ためすすぎは水を溜めてすすぐ節水重視の方法
- 注水すすぎは水を流し続けながらすすぐ洗浄力重視の方法
- 水道代を節約したいならためすすぎがおすすめ
- 頑固な汚れや汗の臭いをしっかり落としたいなら注水すすぎが有効
- 同じ水量ならためすすぎ2回の方が注水すすぎ1回より洗剤除去率は高い
- 注水すすぎのデメリットは水道代が高くなること
- 注水すすぎは柔軟剤の効果を薄めてしまう可能性がある
- 縦型洗濯機は豊富な水量で注水すすぎの効果が高い
- ドラム式洗濯機はシャワー状の注水すすぎで効率的に洗う
- 肌が敏感な方は注水すすぎかためすすぎの回数を増やすと安心
- 柔軟剤の香りを重視するならためすすぎが向いている
- 軽い汚れならすすぎ1回対応洗剤とためすすぎ1回の組み合わせが最速
- 最高の洗浄力を求めるなら注水すすぎを2回行う選択肢もある
- コストを抑えつつ丁寧に洗うならためすすぎを3回にする方法も考えられる
- 普段はためすすぎ、汚れがひどい時だけ注水すすぎ、と使い分けるのが賢い